DCJPY / 株式会社ディーカレットDCP — 預金トークン専業プラットフォーム

確度概ね確度あり
更新2026-05-18
要再確認2026-08-08
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目次

ウィキ上の位置づけ

この項目は フィンテック の下に位置する。日本のステーブルコイン / 預金トークンの文脈は 株式会社Progmat — デジタルアセットプラットフォーム概要、法人・ライセンス境界は 日本金融規制 — トークン・暗号資産・決済に関する法体系 とあわせて読む。

[!warning] 法人実体の重要な区別 株式会社ディーカレットDCP(DeCurret DCP Inc.) = 預金トークン DCJPY 専業の デジタル通貨事業会社(暗号資産交換業 登録)。 旧ディーカレット(暗号資産交換業登録)= 現 S.BLOX 株式会社(ソニーグループ傘下)。両者は全くの別法人・別事業。詳細は S.BLOX 概要 を参照。

電子決済等代行業者 関東財務局長(電代)92号 · JVCEA 加盟 · 登録日 2021年11月(電代)

1. 法人・株主

  • 商号:株式会社ディーカレットDCP(DeCurret DCP Inc.)
  • 設立日:2020年2月27日(旧商号:デジタルカレンシーLab株式会社、2021年10月に現商号へ変更)
  • 本店所在地:東京都千代田区富士見2-10-2
  • 資本金:1億円(公式コーポレートサイト 2026年5月時点)
  • 親会社:株式会社ディーカレットホールディングス(100%株主)
  • ホールディングス設立:2021年12月27日
  • 上場:非上場
  • ホールディングスの株主構成(公表分):ホールディングス取締役に、IIJ(株式会社インターネットイニシアティブ)・SBIホールディングス・ゆうちょ銀行・KDDI・NTT・三菱UFJ銀行 各社役員が名を連ねており、これら企業群が主要出資者として参画。初期(2018年)は国内リーディングカンパニー19社の共同出資体として発足。
  • 吸収合併予定(重要):2026年3月24日付取締役会決議により、2026年7月1日を効力発生日として、株式会社ディーカレットDCPは親会社ディーカレットホールディングスに吸収合併され消滅予定。合併後は存続会社ホールディングスがデジタル通貨事業を直接運営する(2026年4月2日公表)。

2. 牌照・登録状況

  • 電子決済等代行業者:関東財務局長(電代)92号(登録日 2021年11月)
  • 暗号資産交換業未登録(DCJPY は暗号資産に該当せず。銀行法に基づく「預金」のトークン化であり、資金決済法上の電子決済手段でもない)
  • JVCEA 会員加盟
  • 法的根拠:DCJPY は銀行が発行する「預金トークン(Tokenized Deposit)」として位置づけられ、銀行法の枠内で運用される。銀行預金の性質を維持しつつブロックチェーン上でトークン化する構造であり、暗号資産規制・電子決済手段等取引業規制とは別体系。
  • 三型分類の位置づけ:改正資金決済法が定める SC 三型(信託型 / 銀行発行型 / 資金移動業者型)のうち、DCJPY は 銀行発行型(第 1 号 EPI 該当の議論有り) に近接するが、主に既存銀行法の預金制度として運用される点が特徴。詳細は 日本信託型 SC 架構 参照。

3. DCJPY プラットフォームの仕組み

  • DCJPY(ディーシェーピーワイ):参加銀行が発行する預金トークン。円建て、1:1 固定。
  • Amic Sign:DCJPY ネットワークのプラットフォーム基盤。「フィナンシャルゾーン」(銀行基盤)と「ビジネスゾーン」(企業・個人向け)の二層構造(2022年7月 特許登録)。
  • 4コア要素(AMIC):Asset(デジタル資産)/ Money(預金トークン DCJPY)/ Identity(識別子)/ Contract(スマートコントラクト)
  • 参加銀行(公表分):GMOあおぞらネット銀行・ゆうちょ銀行(2026年度発行計画)・SBI新生銀行(導入検討中、2025年9月報道)・MUFG 三菱UFJ銀行(取締役派遣・フォーラム参加)・横浜銀行等が実証参加。
  • デジタル通貨フォーラム:国内100以上の企業・公共団体・関係省庁が参加する実証・議論の場。ディーカレットDCPが事務局を担う。分科会別にユースケース検討実施中(2026年4月 プログレスレポート第5号公表)。

4. 業務範囲・ユースケース

  • 暗号資産交換業ではない。DeFi トークン売買・仮想通貨取引サービスは提供していない。
  • 4 主要ユースケース(Amic Sign 上):
    1. 環境価値のデジタル化:非化石証書のブロックチェーン上でのトークン化・DCJPY 決済(2024年8月 商用開始、IIJと共同)
    2. デジタル証券(ST)との融合:ST 発行・DVP(同時受け渡し)決済(2026年4月 SBI証券・IIJ等による国内初の実発行検証完了)
    3. NFT / 企業取組み:取引データの NFT 化・中小企業信用情報プラットフォーム(実証段階)
    4. 商取引 DX:企業間請求書支払い自動化(2026年3月 ファーストアカウンティング・GMOあおぞらネット銀行・IIJ との4社 PoC)
  • DAO 実証:ビジュアルボイスとの「価値循環型コミュニティ」DAO 実証(2026年4月)
  • スポーツ × デジタル通貨:ガンバ大阪との「価値循環型ファンコミュニティ」実証(2026年3月)
  • ドラッグストア業界:日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)と基本協定締結、サプライチェーン上での DCJPY 活用検討開始(2026年3月)

5. 市占・業界内ポジション

  • 暗号資産交換業者ではないため、JVCEA の口座数・取引高等の統計には含まれない。
  • DCJPY は日本の 「銀行発行型預金トークン」 の代表的実装例として国際的に注目される(Stablecoin Brazil Forum 登壇 2026年2月、Money 20/20 Asia 登壇 2026年4月等)。
  • 三大円 SC の構図における位置付け:信託型 SC(Progmat Coin / 三菱UFJ 等)・資金移動業者型 SC(JPYC)と並び、銀行発行型(DCJPY)が日本の円建て SC エコシステムを三柱で構成(4 阵营対比は 日本 SC 四阵营对比 参照)。
  • B2B 商取引 DX 領域が主戦場。個人向け retail 決済よりも、企業間決済・サプライチェーン金流・デジタル証券 DVP に特化。

6. 沿革・重大事件

年月 事象
2018年1月 株式会社ディーカレット設立(国内リーディングカンパニー19社共同出資)。IIJ が主要出資者として関与。
2019年3月 旧ディーカレット、暗号資産交換業者登録(関東財務局長 第00016号)。
2020年2月 デジタル通貨事業準備会社「デジタルカレンシーLab株式会社」設立(旧ディーカレットの子会社)。初の実証実験実施。
2020年12月 デジタル通貨フォーラム設立。
2021年10月 デジタルカレンシーLab → 株式会社ディーカレットDCP に商号変更。
2021年11月 ディーカレットDCP、電子決済等代行業者に登録(関東財務局長(電代)92号)。DCJPY ホワイトペーパーおよびプログレスレポート公表。
2021年12月 株式会社ディーカレットホールディングス設立(持株会社体制に移行)。
2022年2月 ホールディングスが旧ディーカレット(暗号資産交換業)の株式を 第三者(後のAmber Group 系)に譲渡 。デジタル通貨事業はDCPが完全承継。旧ディーカレットは後にAmber Japan → S.BLOX (ソニーグループ傘下)へと変容(S.BLOX 概要 参照)。
2022年7月 二層構造デジタル通貨プラットフォーム(Amic Sign)の特許登録。
2023年1月 ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証取得。
2024年7月 DCJPYネットワーク 本番検証システムリリース。
2024年8月 初の商用サービスとして DCJPY ネットワーク利用開始(IIJ との環境価値取引決済)。
2024年9月 ディーカレットホールディングスが63億円超を資金調達(CoinPost 2024年9月13日報道)。
2025年9月 ゆうちょ銀行、2026年度に DCJPY 発行計画を表明(CoinPost 2025年9月1日)。GMOあおぞらネット銀行による発行計画も報道(2023年10月)。
2026年3月 日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)との基本協定締結。
2026年4月3日 「トークン化預金の銀行間決済」取り組みが金融庁 FinTech 実証実験ハブ支援案件に採択(ディーカレットDCP・GMOあおぞら・アビームコンサルティング申請)。
2026年4月24日 国内初のトークン化預金による ST(セキュリティトークン)決済の実発行検証完了(SBI証券主導、IIJ等)。
2026年4月2日 吸収合併発表:2026年7月1日付でディーカレットDCPを親会社ホールディングスが吸収合併予定。経営効率向上・ガバナンス強化が理由。

7. 戦略動向

  • 銀行間決済 RTGS 構想:複数銀行にまたがるオンチェーン預金トークン送金の、オンチェーン完結型銀行間決済(24時間365日 RTGS)の実現に向けた実証実験が進行中(2026年4月 FinTech ハブ採択)。参加銀行として北陸銀行の名が公表、複数行が参加予定。
  • ST 決済 DVP:デジタル証券の発行・清算・決済を DCJPY による即時決済で完結させるユースケースが商用段階に突入(2026年4月 国内初の実発行検証完了)。
  • 企業間 B2B 決済の主戦場化:ドラッグストア業界、スポーツ(ガンバ大阪)、DAO、請求書自動化と、DCJPY のユースケースを B2B コマース全般に拡大中。
  • 国際展開:Stablecoin Brazil Forum・Money 20/20 Asia・GFTN Forum 等、国際的なデジタル通貨の議論場で積極登壇。預金トークン型の日本モデルを海外に発信している。
  • 吸収合併後の体制:2026年7月1日付でホールディングスに統合予定。商号・所在地・資本金・決算期の変更なし。事業継続。

8. 関連人物

  • 村林 聡(ディーカレットホールディングス 代表取締役社長 / DCP 取締役会長):株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)取締役。ホールディングス・DCP 両社の最上位責任者。
  • 平子 惠生(ディーカレットDCP 代表取締役 社長執行役員 CEO 兼 COO):DCP の実質的な事業運営トップ。吸収合併後の体制については公表なし。
  • 非常勤取締役(公表分):木村紀義(SBI HD 専務執行役員 グループCTO)/ 七海英喜(ゆうちょ銀行 デジタルサービス事業部長)/ 物江信明(KDDI 執行役員)/ 山岡浩巳(フューチャー株式会社 取締役、デジタル通貨フォーラム座長)/ 吉村拓(三菱UFJ銀行 法人デジタル戦略部 副部長)/ 渡井昭久(IIJ 取締役副社長執行役員 CFO)/ 渡邊茂(NTT 経営企画部門担当部長)

関連項目

出典

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